「未来の空港」国際学生デザインコンペティション2020の受賞者が決定

受賞作は、世界で最も活況な20の空港のうち1つをモチーフに、2100年の空港のモビリティを再考している。


デンバー発, Nov. 12, 2020 (GLOBE NEWSWIRE) -- 2020年のフェントレス国際チャレンジ (Fentress Global Challenge、FGC) の受賞作が決定し、「グリーンゲートウェイ (Green Gateway) — ゼロエミッションで持続可能性の高いマルチモーダルハブ」が大賞に選ばれた。FGCは、フェントレスアーキテクツ (Fentress Architects) が2011年以降毎年開催しているもので、公共建築の革新的デザインを前進させるという同社のコミットメントを象徴する本コンテストには世界中の学生から応募がある。

未来の空港をイメージする
今年は15を超える国々の学生から100点以上の応募があり、参加者は、2100年の空港モビリティを描くという課題に挑戦した。未来の交通技術、都市化、グローバル化、テクノロジー、柔軟性、安全性、プロジェクトの実現可能性、乗客体験などの重要な要素を考慮しながら、空港の旅客ターミナルビルをより良いものにするための多様なデザインコンセプトが提案された。

2020年の受賞作には、空港ターミナルのデザインを進化させる上で必要とされる大胆な革新性と品質、好奇心が反映されている。大賞の入賞賞金は15,000ドル (約158万円) で、2位の賞金は3,000ドル (約32万円)、3位の賞金は2,000ドル (約21万円)。ピープルズチョイス賞の2人には1,000ドル (約11万円) が贈られる。

フェントレスアーキテクツの設計責任者、アメリカ建築家協会フェロー (FAIA)、王立英国建築家協会 (RIBA) 会員のカーティス・フェントレス (Curtis Fentress) は次のように述べている。「デザインへの深い情熱とクリエイティブなマインドセットは、デザインコンテストの優秀作には欠かせない土台です。毎年、当コンテストに寄せられる応募作品は、前年以上に革新的で活気に満ちており、空港デザインの未来が刺激に満ちたものであることを示しています。今年の受賞作とすべての応募作品に、私は大変感銘を受けました。」

グリーンゲートウェイ
南カリフォルニア建築研究所 (SCI-Arc) のニヒル・バン (Nikhil Bang) とカウシャル・タティヤ (Kaushal Tatiya) の設計による本作のコンセプトは、インディラ・ガンディー国際空港を、インドのニューデリー全体のモビリティを向上させつつ航空旅行の環境への影響を緩和する、先進的で持続可能なマルチモーダルハブへと変身させるもの。ニューデリーは世界で最も人口が多く大気汚染が深刻な都市の1つである。「グリーンゲートウェイ」と名付けられたこのデザインは、空港が単なる建物以上の意味を持つ未来を提案している。つまり空港が計画から形式や実体に至るまで、その土地の文化的なコンテクストをシームレスにつなぐ役割を果たすのだ。

持続可能なデザイン戦略を取り入れたゼロエミッションのコンセプトは、1つの中央ターミナルと都市全体に広がる6つのタワーからなる分散型システムを特徴としている。このタワーは、空気浄化センターとして機能すると同時に大型輸送機のステーションでもあるという二重の目的を持っている。このソリューションは、主な汚染源の1つである国内線の代替を提供し、都市全体のモビリティを大幅に向上させる。

学生の提案では、空港のデザインを「マクロレベルとミクロレベルでゼロエミッションを実現するもの」として描いている。「国内線を汚染の主原因の1つと考えてこれの代替を提供し、空の旅を個人レベルのものにすることで、都市全体のモビリティを向上させる」と説明している。

2位入賞作
2100年の旅行と交通はどのようなものか。第2位受賞者であるスロベニアのリュブリャナ大学の学生、ドゥシャン・セクリッチ (Dušan Sekulic) によると、完全自律型ポッド、ドライビングチェア、AI搭載ナビゲーション、そして垂直離着陸 (VTOL) 航空機が、次世代の空港体験をデザインする上で重要な要素になるという。本作のコンセプトは、世界で最も活況な空港であるハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港 (ATL) を、旅行者個々のポッドやドライビングチェアが直接航空機に運ばれるドライブイン空港として再構築することを提案している。アトランタが「森の中の都市」と評されることを活かした新しいATLのデザインは、グリーンデザインのアプローチを特徴とし、空港と都市の地平線を融合させて「森の中の空港」を創り上げている。

3位入賞作
今年の第3位受賞者は、人口の密集する海岸都市の空港をいかに設計して気候変動の影響に対応するかという、かつてなく重要な現実に挑戦した。北京交通大学のユアンシャン・チャン (Yuanxiang Chan)、チャオファン・チャン (Chaofan Zhang)、チュアンチュアン・キン (Zhuangzhuang King) によって設計された「フローティング・エアロシティ (Floating Aero City)」は、持続可能なデザインとして非常に先見性の高いアプローチを提示している。香港に位置するこの空港は、亜熱帯の気候条件と人口過密の問題にうまく対応している。空港を香港の海に浮かべ、立体的で可動式のプラットフォームを採用したことで、自然地形への影響を軽減し、利用可能な土地を増やすことに成功している。また縦長の構造をとることで、チェックインから搭乗までの時間を大幅に短縮し、乗客の利用体験全体を向上させた。さらに持続可能な設計戦略として、昼光照明、潮力発電、円形滑走路、水素燃料航空機などを盛り込んだ。

ピープルズチョイス賞
マラヤ大学のワイ・ヤン・チャイ (Yi Yang Chai) とシャロン・チョー (Sharon Cho) がデザインした「ヴァータブレイ (Vertebrae)」は、6,200票以上の一般投票を獲得し、第1位のピープルズチョイス賞を受賞した。バイオフィリックデザインにより設計された本作は、構造環境と自然を調和させ、「ガーデンシティ」を創出。ガーデンシティとは、文化を表現する未来の空港の原型だ。シンガポールに位置するこの空港のコンセプトは、国のナショナルアイデンティティを活かしながら、デザインの全要素にビオフィリックで持続可能なアプローチを採用し、空港を持続可能性のモデルとして描き直した。

2020年のFGC審査員であり、クレマーエアロテック (KRAMER aerotek inc.) のCEOのロイス・クレイマー (Lois Kramer) は次のように述べている。「これは、既存の構造物との強力な結びつきと環境への配慮を兼ね備えた、美しいコンセプトです。このデザインは、大気汚染や交通形態の進化の可能性にどう対処するかという点で柔軟性があります。」

ピープルズチョイス賞の第2位には、5,900票以上の一般投票を獲得したオポン・ザ・ヒル空港 (O’Pon the Hill Airport) が選ばれた。ジョグジャカルタ工科大学のリドワン・アリフィン (Ridwan Arifin)、イマドゥディン・ディア・アル-ファト (Imaduddin Dhia Ul-Fath)、アービン・ドゥイラトノ (Ervin Dwiratno) によって設計されたこの空港コンセプトは、文化、歴史、テクノロジーを融合させ、オヘア国際空港の未来を構想している。この近未来的なターミナルは、垂直離着陸に対応したスマートエアパッドを活用している。スマートエアパッドはナノテクノロジーを搭載し、航空機の性能を検証する。さらに、人を乗せて走るピープルムーバーポッドがターミナル内を移動し、乗客の循環と全体的な乗客の利用体験を向上させる仕組みだ。

2020フェントレス国際チャレンジ審査員
今年の受賞者は、航空、建築、エンジニアリングの専門家である7人のそうそうたる審査員たちにより選ばれた。

審査員は以下のとおり:

  • カーティス・W・フェントレス、FAIA、RIBA - フェントレスアーキテクツ設計責任者
  • アガサ・ケスラー (Agatha Kessler) - フェントレスアーキテクツ会長
  • ロイス・クレイマー - エアロテックCEO
  • ジョージ・ミラー (George Miller) - リチャード・マイヤー&パートナーズ・アーキテクツ (Richard Meier & Partners Architects LLP) COO
  • パトリシア・A・ライアン博士 (Dr. Patricia A. Ryan) - デシジョン・サービス・インターナショナル (Decision Services International) 社長
  • ソマー・シンドラー (Somer Shindler) - J.シンドラー・ソリューションズ (J. Shindler Solutions)、オーナー
  • ブラッドリー・D・シュルツ (Bradley D. Schulz)、FAIA

未来を描く
航空・空港ターミナルデザインの未来像は、常に変化している。フェントレス国際チャレンジは、学生たちが自身のイノベーションを試し、創造性を高めるための不可欠なプラットフォームを提供している。新しい年がまもなく始まろうとしている今、フェントレスは胸を高鳴らせつつ2021年のフェントレス国際チャレンジに向けた準備を進めている。応募登録はまもなく開始される。来年のコンテストの最新情報についてはこちらを閲覧されたい: https://fentressglobalchallenge.com/.

プレスキットのダウンロードはこちら: https://fentressarchitects.sharefile.com/d-s2dca221fe9343aa8.

2020年受賞作の画像をダウンロードするにはこちら: https://fentressarchitects.sharefile.com/d-sa28489802d04edbb.

フェントレス国際チャレンジ
フェントレス国際チャレンジ (FGC) は、毎年開催される国際的な学生デザインコンテスト。2011年の開催以来、75か国以上から数千点のエントリーがあり、最高の栄誉を競い合ってきた。今年のコンテスト概要はこちらから入手可能: https://www.fentressglobalchallenge.com/competition-brief.フェントレス国際チャレンジについて詳しくは、https://fentressglobalchallenge.comを閲覧されたい。

フェントレスアーキテクツについて
フェントレスアーキテクツ (Fentress Architects) は国際的なデザイン会社で、人間環境を改善する持続可能でアイコニックな建築物の創造を情熱的に追求している。ダイナミックな組織として、設計とイノベーションによりクライアントの期待を超えることを目指している。1980年にカーティス・フェントレスによって設立されて以来、完成作品のポートフォリオは430億ドル (約4兆5,000億円) を超える価値があり、毎年6億5,000万人以上の人々にサービスを提供するまでに成長。デザインの卓越性と革新性を評価され、550以上の賞を受賞している。フェントレスアーキテクツについて詳しくは、https://fentressarchitects.com/を閲覧されたい。フェントレスアーキテクツの最新情報はFacebookInstagramTwitterLinkedInでも発信している。

報道関係者向けの問い合わせ先
キャシディ・ハンフリー (Cassidy Humphrey)
フェントレスアーキテクツ (Fentress Architects)
事務所: 303.282.6190
電話: 949.606.3116
humphrey@fentressarchitects.com

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