MELBOURNE, Australia, KYOTO, Japan and TOKYO, Nov. 29, 2018 (GLOBE NEWSWIRE) -- Telix Pharmaceuticals Limited（本社：オーストラリア メルボルン、CEO：Dr. Christian Behrenbruch、以下「Telix」）と日本メジフィジックス株式会社（本社：東京都江東区、代表取締役社長：下田尚志、以下「NMP」）は、淡明細胞型腎細胞癌（ccRCC）1）の治療を目指したアクチニウム225（225Ac）標識抗体の開発に関し技術提携することについて合意いたしましたのでお知らせします。
NMPは「治療と診断の融合（セラノスティクス）」の実現を目指しており、その一環として225Acなどのアルファ線放出核種を用いた治療薬のパイプライン充実化を図るとともに、先ごろ225Acなどの放射性核種を製造するための新たな研究製造拠点2）の建設に着手しました。アルファ線は、他の放射線に比べて細胞殺傷能力が高いうえに、透過力が弱いため周辺細胞への影響が小さいことから、アルファ線を放出する225Acは癌治療における治療用核種として期待されています。Telixの抗CAⅨ3）抗体にNMPが持つ標識技術を用いて、両社で協力して研究を進めてまいります。
Telix Pharmaceuticals Japanの最高経営責任者である西村伸太郎は、「Telixは、NMPとの協業により得る成果がCAIXのPET（陽電子放射断層撮影法）イメージングに用いる自社標識化合物にも相乗効果をもたらすことを期待しています。そして、最終的には厳密な意味での『セラノスティクス』を日本において実現したいと考えています」と述べています。
NMPの社長である下田尚志は、「当社は成長戦略の一環として『セラノスティクス』の実現を掲げており、癌領域における豊富な開発品目を有するTelixとの技術提携は、当社の事業戦略において重要な意義を持ちます。放射性医薬品を長年にわたり製造・供給してきた当社の技術とTelixの抗体の組み合わせにより、『セラノスティクス』の実現がさらに前進するものと確信しています」と述べました。
- ）淡明細胞型腎細胞癌（clear cell renal cell carcinoma）：国内で増加傾向にある腎細胞癌の中で最も多い組織型に分類される。女性よりも男性に多い。
- ）国立研究開発法人日本医療研究開発機構（AMED）の平成29年度 「医療研究開発革新基盤創成事業（CiCLE 4））」（第2回）に採択された「セラノスティクス概念を具現化するための創薬拠点整備を伴う、抗体等標識治療薬（アルファ線）とコンパニオン診断薬の開発」における創薬拠点。
- ）CAⅨ（carbonic anhydrase Ⅸ）：胃粘膜上皮細胞の細胞膜に発現が見られる正常細胞の発生や増殖などに重要な役割を果たす膜貫通型タンパク質。低酸素刺激によって発現が誘導され、複数の癌種においてその発現が認められている。
- ）CiCLE：AMEDが推進する事業の一つで、革新的な医薬品・医療機器等の創出に向けて、政府出資を活用し、産学官が連携して取り組む研究開発を支援し、またその環境の整備を促進するもの。（AMEDのホームページから）
Telix Pharmaceuticals Limitedについて
Telix Pharmaceuticals Limitedは、標的放射性医薬品又は「分子標的放射線」（MTR）ベースの診断用・治療用製品の開発に注力しているグローバルバイオ製薬会社です。同社はメルボルンに本社を構え、ブリュッセル（EU）、京都（日本）、インディアナポリス（米国）で国際事業を展開しています。同社は腎臓、前立腺、脳（膠芽腫）の癌治療における重大なアンメットメディカルニーズに対する臨床段階のポートフォリオを開発しています。同社はオーストラリア証券取引所（Australian Securities Exchange）で上場されています（ASX: TLX）。
Telix Pharmaceuticals Limitedの詳細情報は、http://www.telixpharma.comをご覧ください。
日本メジフィジックス株式会社について
日本メジフィジックス株式会社は、住友化学株式会社とGEヘルスケア（英国）の合弁会社です。放射性医薬品のトップメーカーとして、疾病の診断・治療に有用とされる核医学診療に用いられる高品質な放射性医薬品の開発、製造、供給に取り組んでいます。
日本メジフィジックス株式会社の詳細情報は、http://www.nmp.co.jpをご覧ください。