ISG Index: アジア太平洋地域のマネージドサービスが14年間で最低を記録

COVID-19懸念により企業がクラウドベースサービスに移行し、ITOおよびBPO市場が低迷


オーストラリア、シドニー発, Oct. 30, 2020 (GLOBE NEWSWIRE) -- パンデミック懸念による打撃を受け、アジア太平洋地域のマネージドサービス市場は、第3四半期に14年間で最低レベルまで落ち込んだと、テクノロジー調査およびアドバイザリーの大手グローバル企業であるインフォメーション・サービシズ・グループ (ISG: Information Services Group) (Nasdaq: III) が最新の業界レポートで報告した。

年間契約額 (ACV) 500万ドル (約5億2,500万円) 以上の商業アウトソーシング契約を測定する指標であるアジア太平洋地域ISG Index™によると、この地域のマネージドサービス市場は第3四半期に48%減の3億3,800万ドル (約354億9,000万円) と、2006年以来最低を記録した。マネージドサービスのうち、ITアウトソーシング (ITO) は50%減の2億7,700万ドル (約290億8,500万円)、ビジネス・プロセス・アウトソーシング (BPO) は32%減の6,100万ドル (約64億500万円) であった。

一方、従来よりこの地域最大のソーシングけん引力であるクラウドベースサービスのACVは、第3四半期に6%増の16億ドル (約1,680億円) であった。この数字の内訳を見ると、インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス (IaaS) が8%増の14億ドル (約1,470億円)、ソフトウェア・アズ・ア・サービス (SaaS) は8%減の2億2,200万ドル (約233億1,000万円) と、過去3年間で最低の四半期となった。

アジア太平洋地域市場全体 (マネージドサービスとアズアサービスを合わせて) では、アズアサービスセグメントが全体的に成長したにも関わらず、10%減の19億7,000万ドル (約2,068億5,000万円) であった。

「アジア太平洋地域では、第1四半期にクラウドベースサービスで過去最高を記録しましたが、アズアサービス市場はパンデミックの影響による投資減退を反映して、直近2四半期にわたって減少を続けています」と、パートナー兼ISGアジア太平洋地域リーダーのスコット・バーチ (Scott Bertsch) は述べている。「この四半期には、クラウドベースサービスが成長したものの、アジア太平洋地域市場全体をけん引するには不十分でした。」

バーチによると、この地域では、特にインドでクラウドインフラストラクチャの市場シェアを巡る戦いがますます激化している。インドでは、電気通信、ブロードバンドインターネット、パブリッククラウドの各市場で活動がヒートアップしている。一例として、インド国内の企業へのクラウドサービス導入を進めるため、AWSはバーティエアテル (Bharti Airtel) と契約を締結し、マイクロソフト (Microsoft) もジオ (Jio) と提携した。

マネージドサービス関連では、前四半期に契約が増加した後、第3四半期には契約数が通常のレベルまで戻っているとバーチは指摘した。「ほぼすべての契約は2,000万ドル (約21億円) 未満でした」と、バーチは述べている。「アジア太平洋地域では、大口の契約が従来より課題でしたが、COVID-19の発生以来全くなくなり、契約締結までの期間も長くなっています。」

さらにバーチは、明るい材料として、アクセンチュア (Accenture) がアジアの大手メーカーよりかなり大口の取引を獲得し、IBMが香港空港管理局 (Airport Authority of Hong Kong) と契約を締結したことを挙げている。

年初来の実績

年初からの9か月間、アジア太平洋地域市場全体では7%減の64億ドル (約6,720億円) であった。マネージドサービスでは大口の契約がなかったため、41%減の14億ドル (約1,470億円)、内ITOは40%減の12億ドル (約1,260億円)、BPOは49%減の1億9,700万ドル (約206億8,500万円) といずれも低い業績であった。この地域のほとんどの市場は大きく落ち込んだが、オーストラリア - ニュージーランド (ANZ) は例外で、年初来のACVは3%増であった。

一方、アズアサービスセグメントは、これまでの年に比べて成長が鈍ったものの、11%増の50億ドル (約5,250億円) であった。IaaSは14%増の43億ドル (約4,515億円)、SaaSは6%減の6億9,500万ドル (約729億7,500万円) であった。

グローバル予測

ISGは、世界的なマネージドサービス市場は通年で6%減となると予測している。これは7月の予測よりも150ベーシスポイント上昇している。一方、世界的なアズアサービス市場は2020年に15.5%増と予測されており、7月の予測である11%より上昇した。

ISG Index™について

ISG Index™は、世界的なテクノロジーおよびビジネスサービス業界の市場インテリジェンスに対する権威ある指標として高く評価されている。72四半期連続で、最新の業界データと動向の詳細を金融アナリスト、企業バイヤー、ソフトウェアおよびサービスプロバイダー、法律事務所、大学、報道機関に提供してきた。2016年、急成長を遂げるアズ・ア・サービス市場をISG Indexの対象に加え、クラウドベースサービスがデジタルビジネストランスフォーメーションにどれほど大きな影響を及ぼしているかを測定している。またISGは、四半期ごとのISG Index発表で、オートメーションなどのデジタルテクノロジーの分析も継続的に提供している。詳細については、同社ウェブページを閲覧されたい。

ISGについて

ISG (インフォメーション・サービシズ・グループ) (Information Services Group) (Nasdaq: III) は、テクノロジー調査およびアドバイザリーの大手グローバル企業である。ISGは、世界のトップ100企業のうち75社をはじめ、700社を超えるクライアントの信頼できるビジネスパートナーとして、企業、公的機関、サービスおよび技術プロバイダーがオペレーショナルエクセレンスと成長加速を達成できるよう支援している。同社は、デジタルトランスフォメーションサービス (オートメーション、クラウドおよびデータ分析など)、ソーシングアドバイザリー、マネージドガバナンスおよびリスクサービス、ネットワークキャリアサービス、戦略および運用設計、変更管理、市場インテリジェンス、テクノロジーの調査および分析などを専門としている。2006年に設立され、コネチカット州スタンフォードに本社を置くISGは、1,300人を超えるデジタル対応専門家を擁し、20か国以上に展開している。同社のグローバルチームは革新的な思考、市場への影響力、業界およびテクノロジーに関する豊富な専門知識、業界で最も包括的な市場データに基づく世界クラスの調査および分析能力で定評がある。詳しくは、www.isg-one.com閲覧されたい。

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