ロンドン発, Oct. 04, 2024 (GLOBE NEWSWIRE) -- オルタナティブ投資に特化したデータ、ツール、インサイトを提供する プレキンは、レポートを発表した。 プレキンは、世界のオルタナティブ投資業界の運用資産残高 (AUM) について、2023年末の16.8兆米ドル から2029年までに29.2兆米ドル に達すると予測している。 公式レポートの予測には含まれていないが、分析では、業界は2030年までにAUM30兆米ドルを超える見込みであると予測している。 これは、2023年末から2029年の予測期間における年平均成長率9.7%を意味し、プライベートエクイティ市場とベンチャーキャピタル市場に対する期待が弱まったことから、2017年から2023年までの期間の10.5%から減速となる。
プライベートウェルスと低調なエグジット環境により、セカンダリー投資の年平均成長率は13.1%に達すると見込まれており、セカンダリー投資は2023年末から2029年にかけてオルタナティブ投資の中で最も急速に成長する分野になると予測されている。 現在、投資家のポートフォリオが流動性の制約に直面しているため、セカンダリー投資市場は依然として買い手市場となっている。プレキンは、プライベート市場に新たに参入する投資家にとって本質的な利点があることから、プライベートウェルス市場からのセカンダリー戦略に対する需要が今後も継続すると予想している。
「フューチャー・オブ・オルタナティブ」レポートシリーズは、プレキンのリサーチインサイトチームの最新データを活用した予測モデルと分析に基づいて、世界のオルタナティブ業界の規模と成長を予測している。 同レポートは、戦略別を含む、世界の主要地域におけるすべてのオルタナティブ資産クラスをカバーしている。
プレキンのグローバルリサーチインサイト責任者であるキャメロン・ジョイス (Cameron Joyce) は以下のように述べている。「世界のオルタナティブ市場は、特に個人投資家のアクセスが開かれ、プライベートウェルスの成長が加速し続けるにつれて、急速に進化し続けています。 政策金利は低下すると予想されていますが、マクロ経済状況はパンデミック以前の時代よりも厳しい状況が続く可能性が高く、業界の成長が鈍化するという当社の予測はそれを反映しています。 投資家は、新たな一連の投資機会とリスクをもたらす多極的な世界秩序に向かって、進化する地政学的リスクを乗り越えようとしています」。
プライベートエクイティ市場は2倍以上に拡大、一方プライベートデットのパフォーマンスは改善すると予測
プライベートエクイティは最大のプライベートキャピタル資産クラスであり続けると予測されており、プレキンは、2023年末から2029年にかけてAUMが5.8兆米ドルから12.0兆米ドル と2倍以上拡大し、年平均成長率が12.8%になると予測している。 特に、プレキンのアナリストは、この資産クラスが2024年末までにパブリックおよびプライベートエクイティ市場の約6.0%を占めるものと考えている。 この割合は、非公開企業の非公開期間の長期化、非公開化、IPO市場の低迷、経時的な上場企業数の全体的な減少など、さまざまな要因の組み合わせにより、時間の経過とともに増加すると予想されている。 資金調達は引き続き困難になることが見込まれるが、現在プライベートエクイティへのエクスポージャーが比較的低いプライベートウェルス投資家の関心の高まりに支えられ、2027年から成長が加速すると予測されている。 しかし、予測期間中のパフォーマンスはこれまでよりも軟調となり、世界のプライベートエクイティは2017~2023年と比較して内部収益率 (IRR) が低下し、15.5%から13.4%に低下すると予測されている。
一方、不良債権に牽引され、プライベートデットのパフォーマンスは改善すると予測されている。 プレキンは、プライベートデット全体の2017~2023年の平均IRRが8.1%から2023~2029年には12.0%に上昇し、不良債権は同期間の平均13.4%になると予測している。 ただし、世界経済が比較的安定した信用環境に向かうにつれ、プライベートデット全体と不良債権のパフォーマンスの差は縮小すると予想される。 全体として、プライベートデットのAUMは、2023年末の1.5兆米ドル から2029年までに2.6兆米ドル に増加すると予測している。
「フューチャー・オブ・オルタナティブ2029」の要旨:
- ベンチャーキャピタル:人工知能は、2023年末から2029年にかけて、アーリーステージのベンチャーキャピタルのAUMの年平均成長率13.2%、ベンチャー (一般) の11.1%の上昇要因の1つになると予想されている。 レーターステージのベンチャーキャピタル (AUMの年平均成長率8.1%) は、厳しい出口環境とアセットバリュエーション、合併や買収に対する規制の厳格化によって圧迫されると予測されている。
- 不動産:世界のプライベート不動産のAUMは、2023年の落ち込み (1.6兆米ドル ) の後、2029年までに2.7兆米ドル まで着実に成長すると予測されている。 プレキンのモデルでは、予測期間中に、2020~2023年と比較して、バリューアッドが不動産戦略の中で最大のIRR増加を示し、2.1ポイント増の9.6%になると予測されている。
- インフラストラクチャー:エネルギー転換により、2027年以降、資金調達とディール活動が活発化することから、世界の非上場インフラのAUMは2029年に2.4兆米ドルに達すると予測されている。 しかし、予測期間の後半 (2027~2029年) の資金調達が活発化し、2017~2023年と比較してパフォーマンスも向上していることから、AUMは引き続き増加し、2029年末までに不動産のAUMの88.0%に達すると予想される。
- ヘッジファンド:世界のヘッジファンドのAUMは2029年までに5.7兆米ドル を超えるものの、流出がパフォーマンスベースの成長に影響を及ぼすと予測されている。 ヘッジファンドは、2023年末から2029年までの期間の年平均成長率がすべてのオルタナティブ資産クラスの中で最も低く、4.0%と予測されている。
記者への注記:
プレキンの「フューチャー・オブ・オルタナティブ2029」レポートは、プレキンのデータサイエンスチームが構築した独自のモデルを活用して作成しております。
より詳細な情報をご希望の方、またはレポート執筆者へのインタビュー等をご希望の方は、 オリバー・キーザー (Oliver Keyser) oliver.keyser@preqin.comまでご連絡ください。
プレキンについて
プレキンは“Home of Alternatives”をコンセプトに、オルタナティブ投資業界で最も包括的なデータ・分析・インサイトを提供し、重要な情報と最先端の分析ソリューションによって、投資ライフサイクル全体を通じて投資家をサポートしています。
20年にわたり、プライベート市場におけるデータの収集方法を開拓し、世界の20万人以上の投資プロフェッショナルに資金調達、ディール、パフォーマンスの把握などにご利用いただき、オルタナティブ投資への理解を深めることに尽力しています。
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